レクリエーションへ参加させたいときの対応

通所または入所施設では、利用者が楽しく充実した時間を過ごせるようにレクリエーションを行っているところがほとんどです。今でこそ、個別性を尊重し、小グループで手芸や囲碁など複数のレクリエーションやアクティビティ等を提供している事業所もありますが、介護職側のマンパワーの関係で、カラオケや回想法など、みんなで取り組むというスタイルのほうが、まだまだ多いというのが現状です。

その際に、介護職が用意したレクリエーションなどに参加したくないという利用者がいても不思議ではありません。特に、認知症のある利用者の場合、参加を拒否することも多いです。しかし、介護職側からすると、自分たちが企画や準備をしているからこそ一緒に楽しんでもらいたいという思いもあります。そのため、あの手この手で誘いたくなるものです。

レクリエーションなどに参加しない理由は、探ると無限に出てきます。どうにかできる理由もあれば、どうにもならない理由もあります。レクリエーションなどの説明が理解できないようであれば、介護職がわかるように説明すればよく、集中力が続かないようであれば、参加の時間を短くする工夫などで対応できることも多いです。しかし、参加しない理由がはっきりせず、なんとしても参加してもらおうという方向に気持ちが向いているときには、レクリエーションなどが手段ではなく、目的になっている可能性が考えられます。そのため、一歩立ち止まってみることが大事です。また、参加することで、どんな状態につなげていきたいのかを振り返り、笑顔になってもらいたい、離床してもらいたいといった方向性がみえたら、レクリエーション以外のアプローチも考えるのも一つの方法になります。