介護職の勤務の中には、認知症を患っている人のケアやサポートも含まれています。認知症の本人はもとより、家族への適切な対応も重要です。そもそも認知症は老化などが原因となり、脳内の記憶を司る海馬や側頭葉と呼ばれる部位などが萎縮をすることに伴い、進行していきます。以前は覚えることができた人の名前などもわからなくなってしまうのです。酷くなると、少し前に食事をしたことや家族の名前さえも忘れてしまうようになります。急に大声を出したり徘徊したりなどと家族でも面倒をみることが難しいほどの症状になる人も少なくありません。そんな人も積極的に受け入れている介護施設も多く、受け持つ介護職にとっては苦労の連続です。場合によっては介護職側の対応次第で良くもなり悪くもなりますので、認知症患者と対峙する際のコツを知る必要があります。
介護職が認知症患者と対峙する時には、しっかりと真正面から対峙することが求められます。なるべく目線を合わせて、耳元で話しかけるようにすることも必要です。加齢により理解力が衰えているため、ゆっくりとしたスピードで話しかけるようにします。ついつい、忙しさのあまりに上から目線になってしまうことにもなりかねません。認知症の人は、同じことを繰り返すことも多くあります。そのようなときにも、あからさまに否定したり怒ったりせず、寛容な態度で臨むようにしましょう。あえて、大きく頷いてあげることも必要です。プライドや自尊心などに配慮した対応が介護職に求められます。あくまでも安全安心な環境を確保し、人間らしい生活をサポートします。